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え、まあ、趣味とか雑事とかだぜ?
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時に「湯ぼぼ酒まら」等と言うそうだ。
褥をより良く過ごすためのアドバイスである。
湯に入った後の女と酒を呑んだ男が、どうしてより良い楽しみを得られるのだろう。
一つは血流である。
どちらも体温が上がり血の巡りが良くなる。
承知の通り、性器の周辺は血管が重要な……特に男性諸氏は先刻承知の通り、海綿体に血液が流れ込んで勃起するのであるから、納得してもらえそうだ。
女性も“しまり”が良くなり感じやすくなるそうな。
また一つは、筋肉が適度に弛緩することもあろう。
それからリラックスした雰囲気……勿論、たんなる雰囲気ではなく神経系に直接原因があるのだが、それも含めて……事がスムーズに楽しく行なわれるのだろう。
更には、酒には大脳偏縁系を麻痺させて理性を後退せしめ、活動を活発にする。
野性的なというか本能的なというか、力強い“突き”が打てるわけである。
ところで、男性の場合だが、確かに適度の飲酒は血流を促すだろうが、過度の飲酒はかえって萎えさせてしまう。
また、飲み過ぎで運動をすると宵が回りやすい。
ある程度無酸素運動だから、血がグッと頭に昇って頭痛を起こすかもしれないから、程々に。

それで思い出したのが、旧約中にあるロトの物語。
これは御存知の方も多かろうから、おおまかに話を見てみるが--かの有名なソドムとゴモラから話が始まる。
ロトはそこに住んでいたのだ。
で、悪徳の街に天罰、すなわち硫黄の火が降り注ぎ、ロト達は逃げ、ロトの妻は振り返ってしまったために塩の柱に変わってしまう。
逃げおおせたのは、ロトと二人の娘。
洞窟である。
さて、この娘達だが「どうしたものかしら……」と心配事がある様子。
「どうやって血を守ることができるだろう」
つまり、二人の娘達はこのままでは血が絶えるてしまうのではないかと心配しているわけだ。
それで一計、ある夜父に酒を呑ませて酔い潰し……ま、見事御懐妊と相成るわけである。
余談ながら、二人の娘が産んだのが後にモアブ人とアンモン人になり、イスラエルの民に虐げられたり悪役を仰せつかったりするわけである。
さて、このロトであるが、泥酔したとなると果たしてちゃんと“勃った”のだろうか?
どうも酔い“潰れて”から、というのが気になる。
酔い加減も過度に理性の障壁を吹っ飛ばしたなら、勢いあまって犯してしまったというのも、無いとは言えまい。
しかし、潰れた。
すなわち、ロトから挑みかかったわけではない……ちらりと上述したが、勃起は血中アルコール濃度と微妙な関係があり、酔い潰れて寝ている男は、往々にして勃起しないのではないかと思われる。
あくまで仮説なのだが、寝ているロトはフニャチンだったのではないか?
原則として、女性は強姦が出来ない(強姦を性器と性器の結合に限って言う場合であるが)。
つまり、男性が勃起しなければ、いくら女性が挑みかかっても成立し得ない。
女性から挑まれて男性器が屹立した時点で、ある意味で和姦である。
ということはどう言うことであろうか?
ロトは酔い潰れてふにゃふにゃになっていたはず、上に過度の飲酒は触覚を麻痺させる、勿論寝ているから視覚や聴覚の刺激は直接的には有り得ない。
不成立の要素が多すぎる。
なに、解決は簡単だ。
ロトが酔い潰れたふりをしていれば良いのである。
娘達の計画を事前に知っていたロトは、酔ったふりをして、産めよ増やせよ地に満てよと励んだ、と。

まぁ、そんな話はさておいて、酒と言えば「ワカメ酒」なるものが有名だ。
女性を仰向けに寝かせるか、正座をさせる。
ぴったりと閉じた股に清酒を注ぐと、陰毛がワカメの様に見える、温度は人肌、“出汁”が出るなんていう人もいるだろうか、ともあれそう言うものだ。
あまり年増だとワカメばかりで飲み難いったらありゃしない。
できれば十四五の生え揃わない、産毛等が残り、少しの地肌が白く赤く見えたら良い。
そのワカメ酒にうってつけの酒がある。
古来の方法で「口嚼酒(くちかみのさけ)」なるものがあるそうだ。
これは日本の方法である。
麹を使わずに、「米を口で嚼んで……米の澱粉に唾液中の消化酵素(この場合は糖化酵素)が作用してぶどう糖が生じ、これを壺の中に吐き溜めておくと、空気中に浮遊している醗酵力のある酵母が自然にこれに侵入してぶどう糖をアルコールに変えてしまう原理である。」《以上、引用 小泉武夫著「酒の話》
本朝では遂にこれは受け継がれなかった、麹が発見されたからである。
しかし、台湾や沖縄ではつい何十年か前まで、五六の少女がこの方法で酒を醸し、祭礼の際に用いていたそうである。
これは、なんともいえない。
デ・ゼッサントだってこの酒の音を知らぬだろう。
シュナミティズムといって若い処女と添い寝する方法があるのだが、これは専ら精気を回復するためであり交合の歓楽のためではない。
言ってみれば処女の若いオーラを吸収するわけだ。
この口嚼酒は、勿論美しい処女が嚼んで醸すのが良いだろう。
特別若い美しい少女達を余分な菌がつかぬ様に綺麗な所に保管しておき、その甘ったるい唇と白い歯で白い米をよく嚼ませ、白い壺に溜めて作るのが良い。
それはただの酒ではなく、若い処女のオーラで充填されていると考えたくなってしまう。
一種の薬酒である。
口嚼酒でワカメ酒、如何ですか?
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基本的には、「人が何を猥褻とするか?」を規定することは出来ない。
言い換えれば、猥褻の絶対基準を決める事が出来ないと言う事だ。
例えば、SM行為と言うものがある。
あの行為そのものを抽出すると、打つ事、打たれる事に猥褻性を見い出している事になる。
SMも表面的に真似した……つまりノーマルプレイの味付けとしてのSMではなくて、真性のSMとなると、ことはより一層ハッキリする。
多くの人はそこに性的快楽としての猥褻を認められない。
またフェティシズムと言うのもある。
が、それは、それこそあらゆる物品に及び、とても収拾がつかないだろう。

ところで、そういった猥褻の最大公約数というか、極一般的なものが性交であろう。
もっと言えば、異性の秘部を中心とした“隠された場所の開示”と“性行為を匂わす何か”である。
(異性の……と限定した場合、同性愛はどうなるのかと言われるだろうが、少なくとも異性愛者の方が数において勝っており、動物をモデルとした時によりノーマルな様に見える。同性愛は“異常”である。しかし、そのことに何ら罪も問題も存在しえないと思う。何故なら、多くの性愛は過度に至りその全ては異常であるから)

アダルトビデオは、ベースに性交をおいている。
基本的に合目的的に作られている……というか、AVは実用品である。
我々はありがたい事に実際の体験でなくても欲情を昂揚させる事ができる。
視覚、聴覚、あるいは嗅覚と言った、直接性の薄いものからでも容易に興奮できる。
とくに視覚。
人間の性欲は視覚的である。

実用品であるところのAVは、常に基本構造を変える事が出来ない。
大体はマイナーチェンジ。
女優が変わるか、手法がかわるか、多少の演出が変わるか。
殊更な変化が加わると“使用的”作品ではなくなってしまう。
中心は常に女性の性交に据えられていて、その周囲を変えているに過ぎない。
一部のマニア向けの作品もある。
が、それも限られたものである。

どの女優、どの体位、何人、シチュエーション……これらが入れ代わり立ち代わり、手を変え品を変えしているだけだ。
使用品としては……(例えば、極端な飾りの付いた歯ブラシは普通はいらないように)……基本的な利便性を捨てられてはこまるのだ。
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