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久々に……いや、ほとんど記憶にある限りでは初めてかもしれない……知り合いに殺される夢を見て目が覚めた。

怖かったです、本当に怖かった。
「死にたくない」って叫びながら目が覚めた。実際に声に出していたかはわからないがそういう眼の覚め方をした。


——事件があったのだ。
僕はひそかにO君が犯人ではないかと疑っている、否、知っている。
状況から考えてもO君が殺人を犯したとしか言えない。
しかし、僕はそのことを言うのを躊躇っていた。
三時頃の陽がアスファルトを長く照らす。
わずかに陽炎が立つ。
長い道に何故だかぼんやりした。思考が陽炎とともに揺れて消えて行くようだ。

O君の家にいた。
T君とO君の弟と六畳程度の部屋で、なんとなく暗い顔を突き合わせていた。
タンスやカーテンの具合で部屋はひどく翳っていた。
O君は隣のキッチンにいる。
料理を作っているはずだった。
僕等は顔を見合わせ続けた。
T君は堪えきれなくなったのか、ビデオカメラを出した。
僕もそのつもりだった。
僕達はO君の罪を告発する、犯行の経緯やその方法、推測を交えながらだが、僕はカメラの前で喋った。
と、壁の向こうからピアノの音が聞こえて来た。
狂っている。
「『ウィスキーレギンス』だ」
彼のピアノは狂っていた、ウィスキーレギンスそのものだった。
短いフレーズが繰り返される。
狂ったテンポで繰り返される。
「おかしい」
今まで背中を向けてたっていた弟君がふすまのほうへ顔を向けた。
「本当におかしい。様子を見てくる」
彼はふすまを開けた。
廊下の闇に消えて行く。
僕達はその様子を見ていた。
暗くなって来た。
しばらく……どのくらいだろう……長いような短いような時間が過ぎる。
と、ピアノの音が止まった。
沈黙。
沈黙こそ長い時間を感じさせる。
ふすまが開いた。
O君が立っていた。
笑っていた。
にやにや笑いだ。
「おまえのせいだからな」
彼は倒れ込むようにして僕に手を伸ばした。
座っていた僕はゴロリと後ろに倒れた。
本能的に身体が後ろに避けていた。
間一髪で——急所は避けていた。
だが、彼の包丁は僕の二の腕に深く深く食い込んでいる。根元のほうが折り曲げた掌にもささっている。
腕を釘付けにされるようだ。
彼が刃を抜く。
ずっぷりと腕から包丁があらわれる。
彼は再び立ち上がった。
刃を振り上げた。
すぐわかった。
彼は僕の顔を狙っていた。
「死にたくない」
それ以上のことは考えられなかった。
僕は「いやいや」をする子供のようにじたじたと首を振った。
「死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない……」


本当に死ぬ前に考えることってどんなことなんだろう?
僕は「死にたくない」を連呼することしかできなかった。
本当に僕は死にたくないんだな、と思った。
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