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昔からモーパッサンの短編が大の好物で、ほとんど自分の中の文学の端緒をそこに求めたいくらいだった。
実際にはぼんやりとほぐれた糸口が次第にあざなわれ、なにか形作っているのだろう。
細々した何かが堆積して行って土台になっているのだ。
決して一つの物が最下層で地盤を為しているわけではないと思う……何かが基盤を為していると言うのは、今ここに立って地面の中を透視して言っているのに等しい。
透視なんぞできるか?
いいや。
ただ思い込んでいるに過ぎない。
ともあれ、モーパッサンだ……。

「水の上」、という短編がある。
彼の短編が好きだと言ったが、もっと限定して言えば、怪談が好きなのだった。
とりわけ僕が未だに覚えているのが、こういう話だ。

二人の青年がいる。
一人の少女がいる。
夏だ、ルノアールが描くような夏だった、帽子が紫色の影で目深く覆い肌が白く照り返る。
そこには川がある。
遊覧船のようなボートだ、サンドウィッチ、葦間から蒸気がたまらない匂いをあげる、川面が光る。
うららかな日だった。

……
さて、これ以上覚えていない。
確か死体が出てくるのだ、いや、この少女が死んでしまうのだったか。
うららかな夏の、どうかすると川面から蒸気が立ち昇る日射しが、無気味だった。
何故死んでしまうのか?
いや、そもそも誰が死ぬのか?
話のオチは?
そこらへんがまったく覚えていない。
ただ、その情景と水の中の死体がいやに無気味に思い出されるのだ。
いったい、自分は何を読んだのだろうか。
思い返してモーパッサンの怪奇短編集をつまみ読みしたのだが、そんなのは何処にもないのだった。
「水の上」という話はあった。
ただそれは年をくった男が夜に怪奇にあう話だ。
じゃあ、自分は何を見たのだろう。
夢か?
それとも記憶の混乱か?
それはそれでいいのだ、記憶が混乱していても、自分にとっては何か印象の深い体験に返るのだったら。
もう詮索しない方がよいのかもしれない。
素敵な幻は、そのまま残しておいたほうがいいのかもしれない。
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